家を売却や賃貸する場合の手順

手段と進め方

空き家を売却する場合でも、賃貸する場合でも、行動に移す前の事前準備は欠かせません。一戸建ての場合、隣地との筆界(土地の境界)に関する書類を用意します。筆界が確定されていない場合は、土地家屋調査士に依頼し筆界を確定させます。対象不動産の権利関係に関する書類も用意します。そして、空き家の中にある残置物(家財道具等)の整理や撤去が必要となります。あと、近隣住民に挨拶しておくことも大切です。

一戸建ての場合

空き家の状態にもよりますが、室内や水回り、外壁や屋根などの修繕やリフォームを施します。特に、買主や借主が建物に求めることは安全性が担保されているかどうかです。近年、大地震や集中豪雨による自然災害が多発しています。雨漏りは屋根がしっかりとしていれば防ぐことができますが、耐震性は見た目では判断できません。それを判断する基準として、空き家になっている家屋が建てられた時期が重要です。昭和56年5月以前に建築確認を受けた建築物は旧耐震基準が適用されているため、その建物は現行の耐震基準を満たしていない可能性が高くなります。完成時期が昭和56年6月以降であっても、12月末までに完成した建物は旧耐震基準で建てられた可能性が高いといえます。

昭和56年6月1日に施行された現行の耐震基準は新耐震基準と呼ばれ、新耐震基準の建築確認を受けた建物は、震度5強程度の地震ではほとんど損傷しません。震度6強から7程度の地震でも倒壊や崩壊しない構造であるかどうかという点から確認が行われます。そのため、旧耐震基準では「震度5程度の地震に耐え得る住宅」と規定されていたものが、新耐震基準では「震度6強以上の地震で倒壊しない住宅」と改められました。

その他、住宅性能表示制度というものがあります。この制度は中古住宅も対象としており、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)を根拠に設けられた制度で、建物を客観的な評価を行うことで住宅の性能を明確にし、住宅の品質確保を図ることを目的としています。これにより、住宅の性能が、構造耐力、省エネルギー性、遮音性などの観点から共通のルールに基づいて数値化され、住宅性能評価書にまとめられます。住宅性能表示制度は、新築住宅は10分野、中古住宅は9分野にわたる設計・施工の性能を等級により評価を行い、住宅の性能をわかりやすく明示しています。住宅の性能が数値化されることによって、消費者は複数の住宅を簡単に比較検討することが可能となりました。

中古住宅の注意点
  1. 新耐震基準に基づく安全性
  2. 住宅性能評価

中古マンションの場合

中古マンションの場合も、中古一戸建て同様に水回りや壁紙等のリフォームは必要となります。一戸建てと違い、屋根や外壁といった部分の修繕やリフォームは必要ありませんが、マンションは一戸建てのように壊して立て直すことが難しい分、一戸建て以上にリフォーム等に気を遣うことが必要となります。

マンションは一戸建てとは異なり、リフォーム等をする際も管理規約等に従わなくてはいけません。床材の指定や水回りに関する決まりなど、一戸建てのように自由に工事することは許されていません。また、工事の際の騒音が隣近所に響きやすいため、十分な注意が必要です。

その他、清潔感を確保するとともに、ゲストルーム等の共用施設が充実しているなど、区分所有部分以外のアピールポイントを明確にしておくことで、評価価格が少しでも上がることを目指し、買主や借主の早期獲得に向けて努力する必要があります。

中古マンションの注意点
  1. 入念なリフォームと清潔感の確保
  2. 共用施設等のアピールポイントの明確化

「リフォームについて」を読む

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