親が生前にできる節税対策

建物の修繕・土地の測量で経費を減らす

不動産にかかる費用は、親の生前に出しておく方が節税になります。たとえば、土地の測量や建物の修繕といったことは、いつかは必要になります。それならば、相続前に親のお金から出費しておけば相続税の課税対象額が減って相続税を減らすことができるわけです。

土地の測量については、いずれにしても相続財産を確定するときに必要になる可能性があります。それならば、前もってやっておいた方が得策です。もっとも、子供から「相続対策で測量をしよう」というのであれば親はおもしろくありません。タイミングが重要です。その点、隣家との境界が問題になったときはチャンスです。そんなときにでも測量を実施しないと、なかなか動き出せないというのが実情でしょう。

一方、建物の修繕なら、いろいろな手が考えられます。よくあるのは、実家のリフォームです。たとえば、5百万円かけてバリアフリーにしたり、水回りを綺麗にしたりするのもいいでしょう。一人暮らしの母親のために、2階にあった寝室を1階に移すというのもいいと思います。

5百万円かけてリフォームすると預金は5百万円減ります。一方で、相続の際の建物の評価額は固定資産税評価額ですから、リフォーム程度では増えないことがほとんどなのです。住み心地が良くなって親が喜ぶと同時に、効果的な相続対策にもなるので一石二鳥です。

遺言書を用意する

親ができる相続対策は節税だけではありません。子供たちにとってなによりもありがたいのは、遺言書を遺してくれることです。生前に遺言書を用意している人は全体の1割程度です。5億円以上の資産家でも2割程度に過ぎません。もちろん、遺言書を書くのは面倒ですし、子供の取り分に差をつけることになりますから、気が進まないのは仕方がありません。

しかし、遺言書があれば遺産分割協議はとても楽なものになります。遺言どおりに進めればいいのですから、多少の不満があっても話はまとまります。

「農地の相続と遺産分割協議」を読む

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